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2007年5月13日 (日)

祝うべきは2000年か2001年か

祝うべきは2000年か2001年かということがマスコミなどの話題となるようになって論議されています。暦としては21世紀のスタートや第3ミレニアムのスタートは2001年です。西暦ゼロ年がないために、1年から百年が1世紀であり、1年から1000年が第1ミレニアムとなるのです。ブリティッシュナショナル・ヘリテージ事務局も2001年1月1日をもって第3ミレニアムが始まるとしており、英国のグリニッジ天文台も21世紀は2001年からであるとしています。

 一方、1990年代のスタートは1990年であり1991年ではありません。したがって2000年代のスタートは2000年であって2001年ではないことになります。

 そして、ゼロには始まりの意職があります。「ゼロから始める」などともいい、感覚的には2000年は最後というよりも始まりです。

 中国では2000年からという意見が強く「わが国は2000年にニュージーランド、日本などに続いて五番目に21世紀に入る」と主張した時期がありました。

 また、世界保健機関は2000年1月1日午前0時生まれの赤ちゃんを世紀の赤ちゃんと命名すると発表しているのです。

 ところで、このような「世紀の論争」はある意味ではばかげた論争であるともいえます。1世紀を完成するためには百年が必要です。1900年から1999年まではもちろん一世紀です。しかし、それを20世紀と呼ぶのは正しくありません。20世紀は1901年1月1日から始まり2000年12月31日に終わるのです。

 しかし、このような簡単な計算に基づく明瞭な事実をどこかおかしいと強く感じている人も多いのも事実です。

 この「世紀の論争」は、カミール・フラマリオン氏によれば少なくとも1599年から繰り返されてきました。

 以下の文章は1799年のロンドンタイムズの社説です。

「われわれは今世紀がいつ終わるのかということについてのすべての手紙を拒否し議論を拒むものである。その理由はその議論は人々の注意を引くものとしてはもっともばかげたものであるからである。われわれはそれが今までにかくも問題にされるということに驚きを禁じ得ない。なぜなら、それは自明の理であるからである。99が100であるということが証明されない限り、今世紀は1801年1月1日まで終わらないのである。それは愚かで幼稚な議論であり、われわれの見解と逆の意見を持つ人々の知能の低さを世に知らしめるだけである」。

 そして、それから百年後の19世紀から20世紀への移行でも、ドイツ皇帝のウィルヘルム二世は1900年を20世紀の始まりと宣言し、英国と世紀の論争を展開しました。

 そのようなばかげた論争に対して、「科学アメリカ」1900年1月13日号は哲学的なトーンで「それは尊重するに値する過ちであり、長く続き、たぶん消えることのない問題である」といっています。

 そして、1900年1月にロンドンタイムスに寄せられた世紀の論争に関する投書を調べたホッブハウス男爵は、このばかげた論争が2000年の始まりにも再発することを見抜いていたのです。 

ところで、このばかげた論争を世紀越えイベントの意義と照らし合わせて見てみましょう。世紀越えイベントはカウントダウンだけをやる単なるお祭り騒ぎではありません。カウントダウンは世紀越えイベントのシンボルであり非常に重要です。

 しかし、いかに連続的につながっている時間をとらえて、意義のある世紀越えイベントを展開していくかが重要なのです。

 したがって、区切りが二つあってもよいと考えられます。それぞれ、新しい世紀を迎えるために必要な区切りであるとも考えられるのです。

 カウントダウンのニーズは「ピース2000倶楽部」のアンケート調査でも2000年派と2001年派の二つがあります。したがって、カウントダウンは二回というふうに考えるのが自然です。

確かに世紀の変わり目に意識の転換をしたい、21世紀に変わった時にこれからが21世紀だという区切りをつけたいという感情があるかと思います。しかし、世紀越えイベントの意義を考えると、あまり細かい区切りにとらわれるより、大きく「世紀越え」の中心となる期間を1999年から2001年としてとらえ、大きな世紀の架け橋を架け、むしろそのプロセスを大事にした方が良いと考えられます。

 例えば19世紀末のパリ万博は、20世紀に向けた世紀越えイベントでした。パリ万博でも大論争の末、結局19世紀をしめくくる万国博として開催されました。しかしながら、パリ万博は20世紀には車や電気が普及することを提示し、二十世紀のライフスタイルを示した革新的なイベントであった。世紀のカウントダウンをどちらに打つかというばかげた論争を乗り越えた世紀越えイベントであったのです。歴史的に見ると1900年のパリ万博から世界は20世紀に入ったといえます。

2000年か2001年かといった些細なことにこだわるのではなく、20世紀を総括し21世紀のあり方を考えることが重要であると思われます。

 ピース2000倶楽部では「2000年の歴史的瞬間まで」と「21世紀の歴史的瞬間まで」の二つのカウントダウンを1996年から開始しています。銚子市、愛知県の商店街、根室市なども二つのカウントダウンを行っています。

 また、米ハーバード大のスティーブン・グールド教授は、著書『千年期を問う』のなかで、次の千年期の始まりは2000年か2001年かを論じています。

そこでは、「千年という周期は何の科学的根拠もなく、私たちが十進法を使っているからでしかない。人々が2000年を新しい時代の始まりとして祝いたいなら、そうしていけない理由はない。2000年でも2001年でもどちらでも自由である。自分が創り出したものにこんなに興奮するところに、人間の本性や弱点が見えて興味深い」と述べています。同教授は『進化論の構造』を2000年に出版し、1974年以来ナチュラル・ヒストリー誌に連載してきたエッセーは2001年1月に終止符を打つ計画です。

確かに、2000年か2001年かといった小さなことに興奮するところに人間の弱さがあるのです。2000年という区切りの年をきっかけとして、自分、家族、学校、会社、人類、ならびに地球などについて考え、確認し、さらにはそれらの関係を調整する、チューニングの場としてとらえることこそ重要ではないでしょうか。

 ところで、世紀越えカウントダウンの日数を数えるときに難しい問題があるのはご存じでしょうか。1999年12月31日をあと1日とするベきかどうかです。ゼロの概念を導入すれば、1999年12月31日はあと0日と何時間となります。そして、2000年1月1日は第1日目ではなく第0日目と何時間となります。

しかし、日付だけで表す場合12月31日にあと0日となり1月1日に第0日目といわなければならなくなります。日付だけで表す場合はあと1日といいたくなるのが人情です。

 2000年500日前の世紀越えイベントを1998年8月19日に開催しましたが、これは1999年12月31日をあと1日として計算しました。あと0日とした方がよいのではないかという意見もありましたが、世の中と計算がずれるのを避けたのです。

21世紀の1000日前も1998年4月7日でしたが、これも2000年12月31日をあと1日としての計算です。

 ところで年齢における「ゼロ歳」は戦後アメリカから入って来ました。0歳の赤ちゃんも生後何カ月といわなければ一年間経過するまではいつまでたっても0歳であり、成長を数字で表現できなくなってしまいます。一カ月未満の場合も生後何日ということが必要となります。時が少しでも経過すればゼロとしたくないのが人間の感性なのです。

 そして、それが二〇〇〇年が二〇〇〇年代の幕開けであると主張する人が多いこととも関係しています。2001年は2000年というゼロの年から一年が経過した年なのです。落ち着いた未来のイメージがあり、子供でいうと一歳であるといえます。21世紀の始まりは2001年からですが、新しい一世紀は2000年から始まるという人が多いのもうなずけます。

 いずれにしても、1999年12月31日をあと0日と何時間といわない限りは2000年は20世紀に属することになります。2000年を新しい時代の幕開けと考えたい人は、勇気を出して2000年1月1日に「第0日目に突入しました!」と叫ぶことになるかもしれなません。そのことは、西暦2000年を周年イベントを開催する年として位置づけることで説明がつきます。周年イベントは、生誕100年、没後1000年、終戦50年、創立100年、結婚10年など、通常最後にゼロのつく年に行っているからです。生誕101年、没後1001年、終戦51年、創立101年、結婚11年に周年イベントを開催することはないのです。

 また、数字の魔力ということでも説明がつきます。2000年は2のつく最初の年であり、ゼロが三つも並ぶ年です。例えば、西洋の七信仰や中国の北斗七星、ならびに日本の七福神など、7は福を呼ぶ不思議な数字であり、パチンコでも777が並ぶと福がきます。平成9年9月9日に多くのイベントが開催され、平成10年10月10日にも麻布十番商店街などが商店街イベントを開催し、平成11年11月11日にいたっては大騒ぎとなりました。

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