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2007年5月22日 (火)

1000年前の世の中

地球の誕生は46億年前といわれている。その46億年前の1月1日の午前0時に地球が誕生したとして、それから現在までの出来事を1年間のカレンダーに仕立てたのが地球暦である。

 地球暦では最初の生物が海に現れたのは5月であり、陸にあがったのは11月下旬のことである。12月の下旬に恐竜の全盛時代になる。その恐竜もクリスマスの日には絶滅して姿を消す。人類は大晦日の晩になってようやく姿を現す。

 人類の最初の祖先といわれているのは1979年にエチオピアで発見された約400万年前の女性の化石人骨で身長1.2メートル体重26キロの「ルーシー」である。調査隊が好んでビートルズの「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウイズ・ダイヤモンズ」を歌ったことから「ルーシー」と名付けられた。この400万年前は氷河が地表を覆う時代であった。「ルーシー」は厳しい自然環境と戦っていたのである。そして、100万年前頃から人類はアフリカから各地へと広がっていった。80万年から70万年前に火を使用し始め、50万年前に原人が現れる。20万年前には旧人となり、約4万年前に人類の直接の祖先であるホモ・サピエンスが現れた。この時が地球暦の午後11時57分48秒頃である。

 そして、1万年前に農業革命が起こる。世界最古の都市はヨルダン川流域のイェリコであり、この頃につくられた。都市が一般化したのはそれから5000年後であり今から5000年前である。そして、西暦1000年となった。西暦1000年は地球暦では大晦日の午後11時59分56秒をまわった頃である。そして、産業革命が起こったのは150年前である。地球暦では11時59分59秒をまわっている。

 この様に、地球暦では1000年はわずか3秒あまりである。しかし、人類にとっては1000年はとても長い時間なのである。

 さて、その西暦1000年頃はいったいどのような時代であったのだろうか。ナショナルジオグラフィック社の2000年特集などから西暦1000年頃の世の中を見てみよう。

 西暦1000年頃の全世界の人口は2億5000万人であったという。当時の世界最大の都市は、スペインのコルドバであり、コルドバには45万人が居住していた。世界人口の増加率は0.1%で、5歳未満の子供の死亡率は5割にも達したという。

 文化は世界各地にばらばらに存在していた。西暦1000年頃の主役は中国であった。

 中国の統一王朝である宋が世界の3分の1近い人口を占めていたのである。地球上の最も豊かな場所で最も文明化されていたのは中国であった。中国の広大な領土で戦いが繰り広げられたり、画期的な新技術が考案され、その影響が遠くの地域にまで及んだという。中国では火薬や紙幣、活字、鋳鉄を製造する溶鉱炉などの様々な発明が相次いでいて、「開宝本草」などの書物が記されている。また、イスラム圏はイベリア半島から北インドまで広がっていた。一方、欧州は中世の暗黒時代であった。

 西暦1000年頃は世界はまだあまり交流をしていなかった。欧州の多くの知識人は地球が平らでないことを知っていたが、あえて外洋に乗り出そうとはしなかったという。例外的に古代スカンジナビア人が現在のカナダ北東部に上陸している。一方、ポリネシア人たちはフィジー諸島やクック諸島に入植し、ニュージーランドに進出したのも西暦1000年頃のことである。中国人は世界一周も可能な船を建造したが、遠洋航海には乗り出さなかったという。

 まだ世界的な文化は育っていなかった。貿易は次第に人々の考えに新風を吹き込んだ。例えば、スカンジナビア人は、現在のロシアに議会制度を伝えた。しかし、これは長くは続かなかったという。

 西暦1000年頃は日本は平安時代であった。日本では宮廷文学が花開き「源氏物語」や「枕草子」が記された。一方、北アメリカでは豆の栽培が広まり、ヨーロッパなどでは奴隷貿易が行われていた。

 インドが9個の数字と”ゼロ”を意味する記号を使った数学体系を創造したのも西暦1000年頃のことである。また、アラビア語の書物がラテン語に翻訳され、アスロラーベ(天体観測機)などの機器類の普及に貢献している。中国では地震計が登場し、イスラムの数学者で天文学者のイブン・アル・ヘイサムは大気による光屈折と天体との関係を研究していたという。

 環境面では人類は自然に大きな影響を与えるようになってきている。マヤ族やトトナック族など、中南米の民族は西暦1000年頃にカカオ豆でチョコレートを作っていた。一方、ハワイ島やイースター島に住み着いたポリネシア人たちは森林を焼き払って土地を利用するようになり、そのために多くの固有の動植物が絶滅への道を歩んだという。また、ヨーロッパでも金属を得るために木炭が多く使われるようになり森林伐採に拍車がかかったのである。そして、この頃の気候の変化がアフリカのサハラ周辺の広大な地域を砂漠に変えたという。

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